元新聞記者コメンテーターの大谷明宏は「次の住民投票で大阪都構想が否決されたら、またやり直そうという話になるのではないか?そんな勝つまでジャンケンみたいなことをやっていたら、大阪は何をやっているのかと他の都道府県から白い眼を向けられるようになるのではないか?」と述べて、筆者を苦笑いさせました。
番組はさらに、「そもそも万博は市町村が喜ぶイベントであるのに、その市をなくしてしまってどうするのか?また、公明党が反対して住民投票をやめようと言えば大阪市は残ることになるが、公明党は今後どう動くのか?」と論じました。
さて、「勝つまでジャンケン」とはよく言ったものです。何度負けても「もう一回やらせて」と言ってジャンケンし続ければ、いつかは勝つときが来るでしょう。しかし、それで「勝った以上好きにさせて貰う」と言われたのでは溜まったものではありません。
そもそも、勝つまでジャンケンなど応じてはならないのです。にもかかわらず、その実現に協力している公明党こそ、この問題を影から支えている張本人であると指摘できます。
また、2月22日の日本経済新聞(インターネット)によると、大阪市を廃止して特別区を導入する「大阪都構想」の制度設計を議論する法定協議会(法定協)は22日、大阪府・市が示していた4つの区割り案のうち、市内24区を4区に再編する案に絞り込んで議論していくことを決めた。大阪維新の会が提案し了承された。導入コストが比較的低く抑えられる点や都市開発を進める上での効率性、災害への備えを重視した。
これまでに府市は、庁舎整備などの初期費用やシステム維持などの運営経費が低い4区案と、より市民に近い行政サービスに重点を置いた6区案を、隣接する区の組み合わせ方により各2種類に分けた計4案を提示していた。
4区の2案は初期費用が302億〜561億円、運営経費が年間39億〜48億円かかり、6区の2案はそれぞれ最大768億円、同62億円と試算。区ごとの収支見通しも、4区案の方が安定的に黒字化する時期が3〜4年早いとしていた。
維新は4案を財政面の利点から4区の2案に絞り込んだ上で、都市計画や防災上の課題を検討。新大阪駅周辺を効率的に開発できるほか、豪雨で淀川が氾濫するなどした場合、迅速な避難や情報伝達に対応できるとして、東淀川区や淀川区など淀川以北の現行区を1つの特別区にまとめた案が最も適切と主張した。
吉村洋文市長は同日の法定協で「議論を深めることが重要」と、制度設計をより具体化する考えを表明。今後、4区案を基に特別区を設置する時期や区名、区役所を設ける場所、区議の定数など詳細を詰める。
協議内容をとりまとめた後、総務相に報告したうえで「特別区設置協定書」を作成。維新府議の今井豊・法定協会長は終了後、早ければ6月末までに協定書がまとまるとの見通しを記者団に示した。
大阪の将来像についての議論を巡っては、府市と維新が今秋、都構想の住民投票実施を目指しているのに対し、自民、共産両党は橋下徹前市長時代の2015年の住民投票で否決された経緯を踏まえて反対の姿勢。公明党は市を残したまま24区を8区に再編する「総合区」の導入を求める一方、住民投票で都構想が否決されれば総合区に移行する方針を府市が示していることから、住民投票については反対していない。
さて、特にこの最後の部分を読んで何か違和感を覚えませんか?
当ブログは「大阪維新の会は夢洲埋立地にカジノを建設することだけを目指しており、住民投票でその実質的な支持を取り付けようとしている」と説いてきました。
その目的で2015年6月住民投票が実施され、「大阪市を廃止して、現行の24区から5区に再編成する」という大阪都構想は否決されました。
では、この住民投票で示された大阪市民の意思とは何だったのでしょうか?
それは、「大阪市は廃止しない」という部分だけだったのでしょうか?そうではないと思います。
大阪市民は、現行の行政区画である「区を再編統合する」という方針にも反対の意思を示したはずです。
ところが、どうも2月22日の府市の法定協議会の様子を見ていると、大阪維新の会は示された住民意思は「大阪市廃止反対」だけで、「前回の5区への再編統合案は否決されたが、新たな区再編統合案への反対意思を示すものではない」と勝手に解釈しているようです。
これは、大阪維新の会の早とちりなのでしょうか?手落ちなのでしょうか?
いえ、そうではありません。これはこの党が抱える闇の部分を如実に反映するものと考えられます。それをこれから説明しましょう。
そもそもイルミー組織は、何故橋下徹氏をマスコミの力で白馬の騎士に仕立て上げ、その人気をして大阪市長に据えたのでしょう?
それはもちろんイルミーにとっての抵抗勢力であった大阪市を牛耳らせるためですが、しいてはカジノを作らせるためです。
ここで少し話は飛躍しますが、世界統一という目的に向かって進んでいるイルミー組織は、現在の国境線を度外視した未来の広大な行政区画を想定しています。そして、そのそれぞれの地域にカジノを建設することを重視しています。
ここで笑ってはいけません。カジノを運営している主体は、紳士的な仮面こそ被っていますが、国際マフィアなのであり、イルミーの直属部隊なのです。
そのような者たちに一度土地を貸与してしまうと、もう返してくれとは言えなくなり、そこはまるで大植民地時代の租借地のようになってしまうでしょう。
すると、その地を梃子にして、イルミー組織は所属する行政組織に飴と鞭を活用した働きかけが可能になり、それでも従わない者に対しては実行部隊を繰り出して恐喝行為を直接行うことも可能になります。
もちろん、何よりもイルミー組織が重視するのは賭博行為から生じる収益ですが、そこには儲けに対する渇望というよりは「被統治民を裕福にしない」という悪意が秘められていることに注意すべきです。
民が豊かであればこそ地域文化が育ち、独自の個性が育ちます。しかし、それは民意を度外視した行政区画を想定するイルミーにとって、忌むべきものであり、将来の集団的反抗や反乱の火種に他なりません。
加えて、イルミー組織は日本民族を統治するにあたって、イルミナイズの程度が高い東京や神奈川といった大都市よりも、長年日本文化を担ってきた民度の高い関西地域、特に大阪を恐れています。
だからこそ、この地に深く寄生し、未来永劫その民度が高まらないように誘導したいのです。
大阪維新の会が夢洲に万国博覧会を誘致しようとしているのも、その反映でしょう。このイベントを、長年不況に苦しんできた大阪経済界はもろ手を上げて賛成しており、憲法改正に際して大阪維新の会の協力を取り付けたい安倍政権もまた、万博誘致を後押ししてきました。《註・4月13日の毎日新聞(インターネット)は、安倍総理が自民党大阪府連に対し「大阪都構想反対」と明確に告げたことを報じました。》
これを追い風にした大阪維新の会は、万博跡地におけるカジノ建設を半ば既成事実化し、テレビを通じてその青写真を何度も国民の目に晒しました。このようなやり方は、彼らの本質を克明に表すものです。
即ち、彼らは先の住民投票で示された民意を尊重する気などまるでなく、例え不愉快な事実であっても、チョイ見せを繰り返して刷り込んでいけば、住民意思を左右して受け入れさせることが出来ると考えているのです。
なんと大阪市民は、連中に見下され、舐められていることでしょう。
大阪を巡る今までの経過を観察してきて、ほぼ確実に言える事は、大阪府組織は既にイルミナイズされている(重要ポストのほとんどがイルミーに握られている)ということです。
ここに至るまでの過程で、大阪府と大阪市の相克は熾烈化したでしょうし、これは府市それぞれにおいて膨大な額の無駄な公共投資を引き起こす要因となったことでしょう。
もちろん大阪市民はこのことに辟易していますが、あろうことか「ならば大阪府に全てを委ねるしか道はない」と思い込まされようとしています。
それにしても、長寿をテーマにした万博など失敗に終わるのは自明のように筆者には思われますが、そこは大阪維新の会にとって織り込み済みで、跡地がカジノになりさえすればそれでよいのでしょう。
これが、イルミー大本営の意思を反映しているからこそ、有力な対抗馬であったフランスのパリは身を引いたのです。
さて、話を戻しますが、この問題の本質は、大阪市という名称が残りその長の選挙が行われるかどうかではありません。
イルミーにとって最も重要なことは、大阪市に対する大阪府の優位を確立することであり、それさえ実現すればカジノ建設は実現できます。
この目的のために、彼らは2度目の住民投票をこの秋に計画しています。
ここで、彼らがもう一度正しく大阪市民の民意を問おうとしているとは限りません。チョイ見せを繰り返して刷り込んでいけば民意などどうにでもなると考える連中のことです。何をするか分かりません。
ABCテレビの「勝つまでジャンケン」という言葉に腹は立ちますが、連中は「もう一度ジャンケンをしてくれるほど誠実な存在なのでしょうか?」
もし、次も負けてしまったら、カジノ建設が相当難しくなることを彼らは熟知しています。
そこで思いついた作戦は、「住民には形だけのジャンケンをさせてやってもよいが、その勝敗に関わらず、目的は既成事実化して遂げてしまおう」というものです。
日本経済新聞(ネット)の記事の最後の部分が、連中の腹の内を暴露しています。
大阪市の現行区を、4区であろうが8区であろうが統合してしまうと、イルミーにとってまだ抵抗勢力である区を連中の勢力図に取り込むことが出来るのだと考えられます。
そうして、実質的な抵抗勢力さえ消滅してしまえば、後は市の名称が残ろうが残るまいがどちらでもよいことになります。
イルミーは一度押さえた権力の椅子を決して仲間以外には渡しませんから、完全にイルミナイズされた大阪市の市長だけ抵抗勢力となったとしても、構成員が一致協力してサボタージュし、その者に仕事をさせないように出来ます。
日経新聞記事は、大阪維新の会の4区案が住民投票で否決されても、公明党の8区案に自動的に移行させる彼らの方針を明確に伝えていますが、これでは住民はジャンケンで何を出そうと負けるということです。
何と非民主的なことを思いつく連中でしょう。連中というのは、大阪維新の会だけを指すのではありません。公明党は実質的にこの問題を支配するフィクサーであり、今まで当ブログは正面切って論じることを控えてきましたが、これで公明党も列記としたイルミーの一角であることを自ら示したことになります。
ところで、大阪市の現行区を整理統合しなければいけない必然性が一体どこにあるというのでしょう?もし必要があるなら、どうして大阪維新の会はそれを説明しないのでしょう?
大阪23区が東京24区と比較して細分化され過ぎているということはなく、現行のままで何ら支障はないはずです。
むしろ、彼らの言うままに区を統合してしまったら、今後住民サービスの質が大幅に低下することが予想されます。
ちょっと考えただけでも、遠く離れた新区役所に行くことが大変な面倒であることを指摘できます。
ですが、それどころではなく、全ての区が完全なイルミー支配に屈することによって、恐らく残っていた大阪行政の良心の最後の一滴すら消滅してしまうだろうと筆者は危惧します。
大阪市を残存させるのであれば、現行区を統合する必要はありません。そこで、次なる住民投票は、「大阪の区を統合して大阪市を消滅させる」のか、「現行のまま変化を加えない」のか、二者択一の形で民意が問われなければなりません。
意思決定の選択肢に人為的な操作を加えることによって、火事場泥棒のようなことをさせてはならないのです。
しかし、思い返すに、大阪市長まで大阪維新の会の人間にしてしまった先の市長選が悔やまれます。
どうして、府知事と市長の両方を一つの党に握らせてしまったのでしょうか?
いかんせん、松井一郎氏の浪花節っぽい顔に騙されてはいけません。今その行いをこそ、冷静に分析しなければなりません。
大阪維新の会は、大阪市民に対して、かけらの愛情も有してはいません。有していたなら、今回のようなことはしません。大阪市民を「こいつらは頭の悪い木偶だ」と見下す以上のものはないのです。
そして、公明党も酷いものです。選挙民の分布を考えて、「公明党が末永く支配できる地域を作らせてやる」と鼻先にニンジンを吊るされたのでしょうが、大阪市民を欺くペテンに加担した罪は軽くありません。
そもそも、事の始まりから全ては狂っていました。それは「大阪都構想」という実体のないネーミングに象徴されています。
この言葉は、東京都に対してコンプレックスを抱く大阪市民に「大阪も都に昇格させてやるぞ」と魅惑する以上の意味は何もないのです。
意味がないからこそ、その定義を弄くることができ、今回のようなことを引き起こす土壌となってしまったのです。
考えてみてください。日本に都は二つ要りません。あれば、南北朝鮮のように国が分断されてしまいます。つまり、「都に昇格」と言っても、実質的果実は何もないのです。
そこで、「大阪都構想」という言葉は、「イルミーが盗った大阪府に何もかも牛耳らせて頂戴、そしてカジノも作らせて頂戴」と読み替えるべきです。「馬鹿野郎」と言いたいところですが、溜息しか出ません。(hiyoshikei033)